ギブソン倒産危機とギター業界の危機を考えてみる

2018年5月15日

どうも、コブです。

先日、こんなニュースが報道されました。

あの「レスポール」でおなじみのギブソン社倒産してしまう可能性がある、というものです。

世界中のギター好きに衝撃が走ったことでしょう。

かくいう私も驚きました。

ギターに詳しくない人のために他の業界の日本企業に例えて言うならば、航空業界でJALが倒産の危機みたいな感じ、白物家電業界で東芝が倒産の危機みたいな感じですかね。(なんか現実で見たことあるような気がする)

それぐらい、ギター業界ではメジャーな企業がやばいのです。

 

ちなみに私のはじめて手に入れたエレキギターは、大学時代の先輩からなけなしの5万円で買った中古の「レスポール・スタジオ」です。

このレスポール・スタジオとともに私の大学時代のバンド人生はスタートしたので、とても思い入れがあります。

このギターを作ったギブソンには倒産なんてしてほしくないです。

社会人になってお金に余裕ができたら、チェリーレッドのES-335をキャッシュで買ってやるんだって、ずっと思っていました。(でも30過ぎても未だに買ってない・・・)

 

ギブソン潰れないでという願いのもと、ギター業界の危機とギブソン復活にはどうすべきかを考えてみたいと思います。

 

ギブソンってどんなメーカー?

ギブソン・ギター・コーポレーション (Gibson Guitar Corporation) は、アメリカ・テネシー州ナッシュビルに本拠を置く楽器メーカー。主にアコースティック・ギター、エレクトリック・ギターを製造している。

ギブソン(楽器メーカー)」『ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典』より

アメリカの老舗ギターメーカーです。

発売しているモデルには、J-45、ES-335、レスポール、SG、フライングVなど、さまざまジャンルで多くのプレイヤーに愛されているものがたくさんあります。

ギブソンを愛用する有名なプレイヤーには、

レスポールのモデル名の由来となったレス・ポール

レッド・ツェッペリンのジミー・ペイジ

ガンズアンドローゼスのスラッシュ

邦楽では、

B’zの松本孝弘

奥田民生

斉藤和義

など、他にもそうそうたるプレイヤーがいます。

主要子会社として、エピフォン、スタインバーガー、オーバーハイム、ティアック、ケークウォークなどがあり、ギター以外の楽器やオーディオ機器等にも進出しています。

世界の楽器メーカーの中でもトップクラスの大手企業なのです。

 

なんで倒産の危機なの?

そもそも、ギブソンの倒産の危機ってどういったものなのでしょうか。

現地メディアの『ナッシュヴィル・ポスト』の報道によれば、次の通り。

「年間10億ドル(約1060億円)以上の収入のある、ナッシュヴィル拠点のこの楽器メーカーが直面している状況は正常とはかけ離れています。CFOのビル・ローレンスは1年を経たずして会社を離れており、6ヶ月後には3億7500万ドル(約400億円)の担保付き上位債が支払期日を迎えます。それに加え、2013年に借りたこの債権が7月23日までに解消されない場合、さらに1億4500万ドル(約155億円)の銀行ローンも支払期日を迎えるのです」

NME JAPAN「ギブソン、倒産する可能性があることが報じられる」より引用

要するに、今年の夏頃に支払期日を迎える債務が履行できなくなるかもしれない。

つまり借金が返せなくなるかもしれない、ということです。

 

ではどうしてギブソンのような企業が倒産の危機に陥っているのでしょうか。

私は原因は大きく2つあると思います。

一つは、事業拡大による不採算部門の発生です。

上記の『ナッシュヴィル・ポスト』の報道に対し、ギブソン側は次のようにコメントしています。

「株や不動産といった資産、期待するほどの成功を収めていない事業を我々はマネタイズしてきています。これらの資産のマネタイズによって我々は負債を減らし、活況な事業に充てるための資金を生み出すことができます。我々の事業にとって重要なのは財政的な成功に舞い戻ることです。我々の資金繰りにおいて最高の条件を達成しなければなりません」

NME JAPAN「ギブソン、倒産する可能性があることが報じられる」より引用

「資産や採算の取れない事業を売却し、なんとか現金を確保して乗り切ります。」的な意味合いでしょうか。

期待するほどの成功を収めていない事業」の典型が2013年のケークウォーク社の買収ですよね。

わずか4年後の2017年11月にSONARを始めとしたケークウォーク製品の開発・生産を中止したのですから。

オンキョーに資本参加したりティアックを買収したり、音響機器に積極的に参入しているみたいですが、採算は取れてるんですかね・・・SONARみたいに潰さないですよね・・・?

 

もう一つの理由は、ギター市場が急速に縮小していることです。

これが一番クリティカルなのではないでしょうか。

2017年10月に『ワシントンポスト』より「過去10年間でエレキギターの売上高は、年間約150万台から年間100万台に急激に低下している」という報道がありました。

10年間で市場が2/3に縮小という、かなりヤバいスピードで縮小しているのです。

単純に考えると収入もその分減ることになり、借り入れ当初の返済計画も破綻してしまっているのでしょう。

おそらくギブソンだけでなく、フェンダーやPRSといった他のギターメーカーも、大きく影響を受けていると思われます。

ただ、こればっかりは資産の売却でどうこうできる問題ではありません。

時代の流れ、というのもあるかもしれません。

しかしこのまま黙って潰れるのを待つ、なんてことはしてほしくないです。

なんとかギブソンを、ギター市場を復活させることはできないでしょうか。

僭越ながら考えてみました。

 

ギブソン復活への提言

先日、Twitter上で見かけたこんなハッシュタグ、

#ギブソン復活のためには

私はこうツイートしました。

(安いは誤字です)

ギターの売上が急激に落ちていることからわかる通り、「ブランド力」だけではもうどうにもならないんですよ。

世界中のギター弾きたちが、勝手に憧れて買うという時代は終わりました。

いくらギブソンといえど、いつまでもブランドの上に胡坐をかいている場合ではありません。

じゃあどうするのか。

 

新しくギターを始める人を増やしなさい、ということです。

 

ギブソンをはじめ有名ブランドのギターは一本10万円超えるようなものが多く、非常に高価です。

これからギターを始める人にとって、これは結構なハードルになります。

「ギターは金がかかるからいいや」と考える人も結構いると思います。

それに対して「いや、もっと安いモデルあるでしょ」という意見は当然出るでしょう。

それはその通りです。

そして、ギブソン傘下には丁度いいブランドがありますよね。

 

エピフォンです。

 

エピフォンであれば、安いものは1万円台でレスポールが買えます。

じゃあ質が悪いのかと言われれば、別にそんなことはありません。

結構しっかり作られています。

また、極論ですがエレキギターはアンプにつなぐ以上、音作りという工程が発生するため、安いギターは絶対に悪い音になる、ということはありません。むしろ音作りのウデの方が大事です。

(まぁアコギはモノ自体の品質が結構影響してしまいますが・・・。それでも別に安物は絶対悪い音がする、ということはありません。)

未経験者でも、手を出しやすいブランドです。

 

こういうものがあることを、世間の人はどの程度知っているのでしょうか。

というかギターブランド自体、どの程度知られているのでしょうか。

街ゆく人にギターのブランドを一つ挙げてくださいと聞いたとき、どれぐらいの人が答えられるのでしょうか。

辛うじてヤマハが出るぐらいですよね。しかもヤマハはギターもありますが、それはメインというよりは、数ある楽器製品の一つにしか過ぎないです。

そうです。

世間にはエピフォンという手軽にギターを始められるブランドがある、ということがほとんど認知されていないのです。

 

ギターは手軽に始められる。

まずそれを知ってもらうことが大切なんじゃないでしょうか。

エピフォンというブランドを、もっと世の中に知ってもらう努力をしていくべきです。

TV・ラジオや、音楽誌以外の雑誌など、他にも方法はいろいろあると思いますが、宣伝広告にもっと力を入れられないのでしょうか。

有名イケメン俳優にギター持たせてCMとか、お年寄りのボケ防止にギターとか、やり方はいくらでもありますよね。

私は世間的な認知度が エピフォン > ギブソン ぐらいになってもいいとさえ思います。

倒産の危機になるレベルで売上が減っているのならば、もうなりふり構っていられないでしょ。

 

今回の対応で、資産を売り払ってその場しのぎをしたって、そのうちまた同じように倒産の危機に陥るはずです。

ギター市場の縮小という、根本の問題に対処しなければ、完全復活は難しいでしょう。

簡単に解決できる問題でないことはわかっています。

時代の流れもあるでしょう。

しかしこのままギブソンがなくなってしまうと、やっぱり悲しいです。

また、これはギブソンだけの問題ではないはずです。

フェンダーをはじめ他のギターメーカーも、今のままだといずれギブソンのような危機に陥るかもしれません。もはやギター業界自体の崩壊です。

そうならないためにも、ギブソンだけでなくギター業界全体で、ギター復活のために努力してもらいたいです。

ギター弾きの一人として、そう願います。

では、また。

 

追記(2018年5月)

あかんかったか・・・

高級エレキギターで知られる米楽器大手ギブソン・ブランズ(本社・テネシー州ナッシュビル)は1日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を米裁判所に申し立てた。事実上の経営破綻(はたん)で、負債は最大5億ドル(約550億円)。これを機にオーディオ機器などの不採算事業から撤退し、ギターを含めた楽器ビジネスに専念するとしている。

規模縮小して楽器に専念して出直し、ということなので是非とも復活してもらいたいです。

もう迷走しないでね。